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『奇形の札束』 小説を書いていると、意外なところで意外な抗議を受けることがある。「小説現代」に発表した『奇形の札束』は作品発表後、結成されたサリドマイド裁判市民の会の抗議を受けて、私の作品集から外された。抗議の趣旨と私の作品の意図はかなりずれているように思ったが、この作品によって迷惑を受ける人がいるとなると、単行本に収録するわけにはいかない。私としては好きな作品であるが不運な作品であった。 |
| 『あさはかな復讐』 草野唯雄氏の原案に手を加えて発表した。草野氏の意向もあって、草野氏原案という文字を入れなかった。そのことが私の心の負担となって、単行本に収録されていない。『奇形の札束』と並んで不遇な作品である。 |
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『餓狼社員』 私の原案を石ノ森章太郎氏がコミック化して、「週刊現代」に連載された。小説とコミックが合体した本邦初の新形式の作品で、グラフィック・ノベルという新語がつくられた。私の原作が数多くコミック化されているが、コミックと合体したのはこの作品だけである。石ノ森章太郎氏はかなり力を入れて書いていた。その石ノ森氏もいまは亡い。 |
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