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2007年12月新刊  
   
黒の十字架 文庫 中央公論新社 \840 (本体 : \800)

潜入捜査の密命を帯び羽代市に乗り込んだ土谷刑事を待ち受けていたのは、強大な権力の壁だった。警察さえ影響下に置かれる独裁都市で土谷の孤独な戦いが始まる。
 

   
指名手配 新書 ワンツーマガジン社 \880 (本体 : \838)

私の家族を殺したあの男をどうしても殺さなければならない…。胡桃沢英介は国本社長の殺害を決心した。そしてかつての恋人で現在は社長夫人・詩子の手引きで犯行を遂げる。復讐を果たした胡桃沢は詩子と逃亡するが…。
 

   
純愛の証明 四六版 実業之日本社 1,680円(税込)

コールガール少女とプラトニック交際を続けていた一流料亭の婿養子が、突然失踪した少女を、彼女の交際仲間と探す間に覗いた人生の深淵。巧緻に張りめぐらされた完全犯罪を崩して、果たして少女に再会できるか。中年の男と未成年の娼婦の純愛の証明とは何か。大都会で奇跡のようなメルヘンを追う。
 

   
虹の刺客(上) 小説・伊達騒動
文庫 講談社 840円(税込)

仙台藩六十二万石。伊達政宗を超える大器と期待された3代藩主綱宗は、幕閣大老酒井忠清と共謀した有力家臣伊達兵部に陥れられ、二十歳にして隠居の身となった。幼い亀千代を擁立し、大藩を壟断する兵部。伊達家の重臣原田甲斐は、密かに起死回生を図っていたが!?史上有名な伊達騒動の真実に迫る圧巻!

 

   
虹の刺客(下) 小説・伊達騒動
文庫 講談社 800円(税込)

藩政を壟断する兵部の非道を伊達安芸は幕府に訴え出る。兵部と酒井忠清の伊達家分割の密約念書を入手したのは原田甲斐。思わぬ窮地に忠清は、自邸に誘き寄せた伊達家家臣団皆殺しを謀る。一度は武士を捨てた絵師虎之助は主家の命運を担い、再び剣を取った。権力への妄執と悽愴なる士道を描ききった歴史巨編!
 

   
完全犯罪のエチュード 文庫 光文社 540円(税込)

高層ビルの林立する新宿副都心。一編の詩『破れる花』を残してホテルの一室で遺体となって発見された作詞家、尾高和子。自殺か、あるいは自殺に見せかけた巧妙な殺人か。大都会に生きる現代人の心の闇に潜む暗い殺意を、あざやかに解決する新宿署・牛尾刑事。完全犯罪のトリックに挑戦する六つの事件簿。
 

2007年11月新刊  
   
青春の条件(上) 四六版 角川春樹事務所 1,680円(税込)

青春とは、行先不明の人生の全方位に向かう列車の始発駅に立っているようなものである。青春は無限の未知数との戦いと言ってもよい。永遠に未知を追う狩人を描き、最大のバリアである戦争に青春を奪われた父祖の恨みをいかに晴らすか、父祖伝来の青春の復権をテーマとする。
 

   
青春の条件(下) 四六版 角川春樹事務所 1,680円(税込)

42年の作家生活での最高傑作! 亡命民主主義指導者を庇護した俳句結社に、世界で最も凶悪な暗殺集団が襲いかかる。武器なき市民の正義の戦いに勝算はあるのか?! 壮大なヒマラヤでの息づまる最後の決戦。ホットな世界の話題を先取りした。棟居刑事も活躍する血湧き肉躍るノンストップ・エンターテインメント!
 

   
野性の条件 B6版 角川書店 1,000円(税込)

48歳の哀川は窓際族に追いやられたサラリーマン。だが、哀川はある夜美貌の女性を救ったことで人生が一変した。彼は己に眠る闘争本能を解き放ち、虐げられた者を守るために闇の巨大組織と対峙することになる。
 

   
忠臣蔵(上) 文庫 徳間書店 1,000円(税込)

絢爛と文化の花が咲いた元禄期の江戸を震撼させた、ご存じ「赤穂浪士事件」―。多彩な登場人物が繰り広げる雄大かつ緻密な人間ドラマを、五代将軍綱吉派と反綱吉派の二大集団による権力闘争という新しい視点に立ち、厖大な史料を駆使して新たな“忠臣蔵”を創造した超大作。
 

   
忠臣蔵(下) 文庫 徳間書店 1,000円(税込)

 

2007年10月新刊  
   
小説道場 四六判 小学館 1,890円(税込)

小説には鉄則がない。鉄則がないという鉄則もない。作家志望推定人口約500万人、だれが、どんな根拠で推定したのか不明であるが、作家志望者が多いことは確かである。

「作家になるための絶対的な傾向と対策」はないが、作家志望者はいつの日か、我が作品世界に多数の読者を招きたいという野望と、自分の才能に対する自信と不安を持っている。自分の才能を認めてくれない世間は馬鹿だという壮大な自信と共に、もしかしたら自分はとんでもない勘ちがいをしているのではないかという不安が同居している。カルチャースクールや小説教室に通うのも、自分の不安をなだめるためである。また同好の士と切磋琢磨することによって、たがいにインスパイアし合う。小説を書くのはだれの力も借りない自分独りの作業であるが、外部(他人の作品や同好の士など)から刺激やヒントやパワーを受けることが大いにある。小説を書き始めて40年、まだ前途遼遠であるが、生涯において運命の一作といえる作品を探し求めて放浪している。これは「自分の一作」を探し求める放浪記である。
 

   
結婚の条件 文庫 角川書店 \580 (本体 : \552)

旅先で出会った男と結婚したことで、市長夫人そしてベストセラー作家へと華麗に転身した正橋彩。だが、一躍有名になったがために、彩は封印していた過去の男たちにつきまとわれる。彩は男たちの殺害を計画するが…。
 

2007年9月新刊  
   
復活の条件 四六判 光文社 \1,680 (本体 : \1,600)

ささやかな幸せに満ちた家庭があっという間に崩壊した。人生をもう一度やり直すために不幸の起点に遡行した主人公は、不幸の予知能力を得て敗者復活戦に挑む。我が家と家族を襲ったすべての不幸を躱しながら幸福の再生を願う男が見た人生の繰返しとは? だれかが幸せになるためには、だれかが不幸にならなければならないのか。同じ人生を二度歩んだ人間が踏み込む異次元の世界。
 

   
終着駅  文庫 集英社  \650 (本体 : \619)

野心を抱き、終着駅新宿に降り立った見知らぬ男女、宮地杏子、浅川真、軍司弘之―。二年後、浅川が新宿の高層ホテルで殴殺された。嫌疑のかかった軍司は失踪。捜査陣は新たに杏子と接点を持つ男をマークした・・・。
 

   
超高層ホテル殺人事件 新書 有楽出版社 \900 (税込)

クリスマス・イブの夜、東京都内に日米が合弁して竣功された、超高層ホテルの壁面に巨大な光の十字架が浮かび上がった。と、その時、ホテルの窓から一人の男が墜落した。男はそのホテルの総支配人で米国のNI社から派遣されてきた辣腕のホテルマン。NI社から屈辱的な条件を突きつけられていた日本側経営陣に容疑が向けられたが...。熾烈な経営抗争のただ中に連続する殺人事件を描く本格推理の傑作。
 

2007年8月新刊  
   
火の十字架 文庫 中央公論新社 \620 (本体 : \590)

太平洋戦争で祖国のために戦った男たちは、重い十字架を背負いながらそれぞれの生と対峙していたが……。壮大なスケールで描く著者渾身の長篇ミステリー。
 

狙撃者の悲歌 文庫 徳間書店 \620 (本体 : \590)

警察官の桐生が気づいた時、惨劇はもはや終わっていた。
下宿先の少女は凌辱され骸を晒していたのだ。一方同夜、近隣の渋谷区で暴力団組長が射殺される。少女の復讐を誓う桐生と敵組長を狙う鉄砲玉、そして風俗嬢、彼らが交錯した時、戦慄の真相が!

狙撃事件と強盗事件の謎解きに、二人の男の執念が交錯する、ハードな長篇推理。
 

2007年7月新刊  
   
青春の守護者 四六判 角川書店 : \1,785 (本体 : \1,700)

青春の偶像アイドルが結婚して夫君とドライブ中、南アルプスの山中で謎の転落死を遂げる。そのドライブに参加予定していて急に取り止めた娘と妹が何者かに執拗に狙われる。父親の依頼によって二人の護衛ボディガードに付いた主人公は、青春の偶像に負う心の債務を返済するために命をかけて二人を守り抜く。偶像の転落事故死に隠された巨悪が、次第に姿を現してくるに連れて、偶像の再現のような妹の存在がクローズアップされてくる。偶像と妹が完全に重なったとき、物語は一挙に最後のカタストロフに向かう。
 

棟居刑事の絆の証明 新書 双葉社 : \840 (本体 : \800)

棟居は単独で後立山縦走を試みた。唐松岳山頂で、トレッキングツアーのグループから写真撮影を頼まれる。命の洗濯の後下界に戻ると、また日常的に事件が棟居を待っている。一方、ツアーに参加したメンバーの身にも予想外の殺人事件が・・・。棟居刑事シリーズの傑作長編ミステリー。
 

2007年6月新刊  
   
魔痕 新書 徳間書店 : \860 (本体 : \819)

綾部は数種類の保健薬を毎日服用していた。薬を飲むことで精神と肉体の安定を得られるのだ。薬への依存度は日に日に増し、薬マニア仲間で自然発生的に同好会が出来た。薬魔クラブ。メンバーのひとり、内原が熱海の断崖から車ごと転落死した。自殺の可能性が大きいという。動揺する綾部に、警察が事情聴取に訪れた。内原は一億円の生命保険に加入しており、受取人は綾部の妻になっていた。さらに、内原の車の中から綾部の持薬セットが発見されたというのだ……何かに依存しなければ生きられなくなっている現代人の病。魔性に取り憑かれたひとびとを描く社会派ミステリー。
 

 新書 ワンツーマガジン社 860円(税込)

新宿署の刑事牛尾正直は、公園で撲殺された浮浪者の捜査にあたった。犯人は3人組の少年たちだった。そして一人息子純一は旅に出たまま消息を絶った。1年後、ラブホテルで殺された女は、浮浪者とも純一とも顔見知りらしい…。次々と起こる殺人事件。現場に落ちていたイノシシの玩具が語るものは…。さまざまな人生が交錯する大都会の巨大駅に繰り拡げられる人間ドラマ。長編ミステリー。
 

密閉城下 文庫 徳間書店  \620 (本体 : \590)

岐阜県の郡上八幡と福島県の会津若松をそれぞれ別の機会に取材に訪れ、城下町の醸し出す歴史の香りを満喫した。幕末の白虎隊の墓地に詣で、幕府軍が巻き返した場合の保険として郡上藩から派遣された凌霜(りょうそう)隊の存在を知り、この作品の構想が浮かんだ。一小藩が官軍と幕府の狭間にあって、その生き残りのために犠牲にされた若者たちの悲劇が、歴史の風化の中で忘れられ、二つの城下町を訪れる観光客は多くとも、山峡に奇跡のように留められている歴史情緒の源流に悲劇を探す者は稀である。ただし、この作品は推理小説である。
 

2007年5月新刊  
   
棟居刑事の複合遺恨  文庫 角川書店 ¥500 (税込)

憧れの新任女性教師が中学の不良グループのリーダーに犯される現場を目撃した二人の青年。彼らはリーダーの殺害を実行した。だが、二人は知らなかった。これが呪われた運命の序曲だと言うことを・・・。社会派推理。
 


   
ビジョンの条件  新書 実業之日本社 ¥900 (税込)

出向先の会社で頻発する不可解な事件。血なまぐさい不正の臭いを嗅いだ男は、巨悪の実体を暴こうと立ち上がる。傑作社会派推理小説!
 

   
夜明けのコーヒーを君と一緒に
文庫 角川春樹事務所  \620 (本体 : \590)

一流会社に勤めているエリートは、まずは自分の一生が約束されているとおもい込みやすい。だが、途中、経営者の逆鱗に触れて、左遷、更迭されることも珍しくない。組織には必ず主流と反主流があり、盛者必衰のことわりにより驕る者も久しくない。組織の中の勢力関係は変わりやすく、絶対の権力を誇った者も、一朝にして失脚することがある。大手新聞社の社主の逆鱗に触れた一介の新聞記者が、政治権力に対してほとんど勝算のない孤独な戦端を開く。個人と権力、あるいは組織との絶望的な戦いは、私の好んで描くところである。

これまで弱者対強者の戦いには、フィクションの中でしか勝ち目はなかったが、インターネットを手にした個人は、いまや世界に対して発信できるようになり、隆車に歯向かう蟷螂にも勝算が生まれた。その分、小説の舞台が狭められたわけである。携帯電話とインターネットはミステリーの天敵であるが、これをどのようにして克服するかが、この作品の重要な課題となった。『レッドライト』にも同様の課題が課せられた。
 

2007年4月新刊  
   
ファミリー  文庫 講談社  \560 (本体 : \533)

理想の円満家族 そう信じていたのに

婚約者を事故で亡くした弓子は、上司の薦めで見合いをした。羽室裕也は好青年で、羽室家も完璧な円満家庭にみえた。だが弓子の中では次第に違和感が膨らみはじめる。姉弟が父娘がそして夫と姑が……近親相姦も平然なおぞましい化け物連中だと気づいたとき、弓子はすでに恐怖の館の囚われ人となっていた!
 

   
棟居刑事の殺人の隙間(スリット)
四六判 双葉社 \1,785 (本体 : \1,700)

同族大企業のトラブル処理係であった芝田は、社長のばか息子の起こした交通犯罪の責任を肩代わりして退社する。これを契機に、芝田は社会の割れ目にこぼれ落ちた破片を拾い集める割れ目業(スリット)を開業する。

大都会はすでに隙間のないほど立て込んできているが、割れ目(スリット)ならばあるであろうという着眼であった。当然、割れ目であるからこぼれ落ちる破片も小さい。だが、小さいがゆえに面白いものが落ち込んでくる。こぼれ落ちた破片を組み立てているうちに、途方もない巨大な悪が次第に輪郭を現わしてくる。社会の割れ目にこぼれ落ちた殺人事件に巻き込まれた芝田の孤立無援の戦いに、果たして勝算はあるのか。
 

   
エンドレスピーク(上)  文庫 光文社 \756 (本体 : \720)

太平洋戦争勃発直前の昭和十六年の夏、日本・中国・アメリカの五人の若者が、槍ヶ岳頂上に立った。再会を固く約束し、頂上の五つの石を持ち帰った彼らは、零戦パイロット、陸軍特攻空挺隊員、対外謀略放送アナウンサー、対日運動のレジスタンス、アメリカ語学兵と、それぞれの道に分かれたが……。
 

   
エンドレスピーク(下)  文庫 光文社 \756 (本体 : \720)

昭和二十年六月、アメリカ人のヘンリーは、沖縄で洞窟に立てこもった残兵と住人に投降を呼びかけていた。槍ヶ岳に共に登った友人、窪田と野本がいることを確信して……。すみ絵と中国人の林もそれぞれの戦場で戦っていた。そして、八月十五日、ついに戦争が終結した。五人は槍ヶ岳で再会できるのか!? 時代に屈しない愛と友情を描き、生きることの意味を問う、森村文学の集大成。
 

2007年3月新刊  
   
堕ちた山脈  文庫 中央公論新社 \620 (本体 : \590)

自らも山に登り青春を謳歌した著者が、日本アルプスなどを舞台にして描いた自選山岳ミステリー短篇集。表題作のほか、「失われた岩壁」「虚偽の雪渓」「憎悪渓谷」「犯意の落丁」を収録。
 

   
暗黒流砂 文庫 徳間書店 \920 (本体 : \876)

「国土庁長官が国有地に豪邸を建て、愛人を住まわせている」
一通の密告から巨大な政界汚職が顕れ始めた時、警視庁捜査二課の中津は敵の罠に堕ちた。長官の愛人に強姦罪で訴えられ懲戒免職となった中津が、孤立無援の闘いの果てに見たものとは?
 

   
怒りの樹精  A5変型判 岩崎書店 \1,470 (本体 : \1,400)

ケヤキの巨木が伐りたおされた後にマンションが建った。そこでさまざまな変事ののち起こる連続自殺に秘められた不可解な事件を描いた表題作など、全4作品を収録。現代を代表する社会派ミステリー作家の短編集。

八木 美穂子・絵
 

   
文芸の条件  四六判 講談社  \1,995 (本体 : \1,900)

ミステリートップ作家の最新エッセイ集。「読ませる文章」の書き方指南。よい文章に求められるのは、情報を伝えることだけではない。人を惹きつける文章に到達するためのヒントが満載の1冊!

<文の章>作家とその作品から、時代を読み取る
<人の章>人の運命を決定する出会い
<史の章>時空を超えて浮かび上がる、魂の姿勢
<地の章>人を育む郷土や郷愁と、その息吹
<句の章>可能性を限界まで凝縮した、俳句の粋
<志の章>旅立ちを支える、青春の多彩な未知数

 

2007年2月新刊  
   
夕映えの殺意 (JOY NOVELS)
新書 有楽出版社 \890 (本体 : \848)

興信所の所長・片山は旧知の米国人実業家から5人の男を捜して欲しいと依頼された。調査を開始してみると、3人が不自然な死を遂げていたことが判明。事件の裏に、満州で全滅したはずの日本人村の存在があると知った片山は…。
 

   
棟居刑事の凶縁  文庫 角川春樹事務所 \660 (本体 : \629)

大手銀行の支店長が殺害された一ヵ月後、事件を目撃した女子大生が絞殺死体で発見される。犯人と目された人物もまた死体となって車のトランクに放置されていた。これらの背後には二十五年前の事件が絡んでいるのか!?犯人を追う刑事たちと、禍々しい縁の糸に操られた人間を描ききった『棟居刑事シリーズ』の傑作。
 

   
灯(ともしび)  文庫 祥伝社 \590 (税込み)

家庭内暴力、援助交際、惚け老人―。それぞれに“家庭の不幸”を抱えながら、ある日偶然、同じバスに乗り合わせた3人の男。やがて彼らの家庭に恐るべき事件がふりかかる。家庭崩壊を代償に築かれた、戦慄の完全犯罪。一見無関係に見えた連続殺人事件が、現代社会の荒廃と、危うい家族の絆を焙りだして行く。闇の中にともる我が家の灯のように、ひとすじの希望を探るヒューマン・ミステリー。
 

2007年1月新刊  
   
喪失  四六判 徳間書店 \1,890 (本体 : \1,800)

人間は最初に道具を発明して以来、便利さを飽くことなく追求しながら、物質文明を発展させた。幸福を追求したはずの本来の目的が、いつの間にか歪んで、文明はその恐るべき側面をあらわしてきた。

風紀は乱れ、道徳は廃れ、恐ろしい病気が蔓延し、さまざまな公害が発生し、ついには、人類は地球そのものを損傷する破壊力まで手にした。

だが、どんなに物質文明の副産物である諸悪がはびこっても、人類はいまや決して石器時代に戻れない。石器時代どころか、車や、ガスや電気や、いや、パソコンや携帯のない時代にすら戻れない。

 人間はどこまで便利さを極めれば満足するのか。いまや人類は物質と機械の奴隷になり果てようとしている。便利性の鎖につながれて、人間が喪失したものはなにか。このシリーズは、それらの喪失を演材として収集した劇場である。
 

   
棟居刑事の黙示録  文庫 双葉社 \580 (本体 : \552)

殺し屋軍団と恐れられた暴力団九鬼組の元組長・九鬼直正は、ひょんなことから重光ゆかりという少女と友達になった。ゆかりの存在は、老いの荒野に咲く一輪の花。九鬼は、彼女の危機を救い、彼女の幸福のために、殺人事件の犯人を追う。少女との友情は、老いた九鬼にとって、神様からの人生最後の贈り物に等しかった。著者会心の長編ミステリー。
 

   
凶水系 文庫  徳間書店 \680 (本体 : \648)

熊谷の荒川で子供達が悲鳴を上げた。発見された溺死体の男は八高線鉄橋から落とされたのか。次いで高崎のマンションで男が墜落。身辺から八高線の切符が現れた。だが男の部屋は完全な密室。
これが捜査陣を翻弄する怪事件の始まりであった。