同族大企業のトラブル処理係であった芝田は、社長のばか息子の起こした交通犯罪の責任を肩代わりして退社する。これを契機に、芝田は社会の割れ目にこぼれ落ちた破片を拾い集める割れ目業(スリット)を開業する。 大都会はすでに隙間のないほど立て込んできているが、割れ目(スリット)ならばあるであろうという着眼であった。当然、割れ目であるからこぼれ落ちる破片も小さい。だが、小さいがゆえに面白いものが落ち込んでくる。こぼれ落ちた破片を組み立てているうちに、途方もない巨大な悪が次第に輪郭を現わしてくる。社会の割れ目にこぼれ落ちた殺人事件に巻き込まれた芝田の孤立無援の戦いに、果たして勝算はあるのか。