人間の剣 戦国編

今川義元の君臨する駿府城下から発した一振りの無銘剣は、桶狭間の合戦を経て、昭和末の御巣鷹山まで、有名、無名の人物の手を転々としながら、歴史上の事件を漂流する四百二十五年の旅をたどる。無銘剣が吸った夥しい血は、歴史の慟哭であり、歴史のうねりが奏でる無数の人間群像の壮大なシンフォニーである。戦国、安土桃山、徳川、幕末、昭和と無銘剣を案内人にたどった長途の旅行は、森村通史でもある。

小説作家の描く歴史は、単に過去の亡霊の再生であってはならない。現代からのスポットライトを浴びせてこそ、過去は過去に留まらない活き活きとした人間ドラマとなってよみがえるのである。生きている人間の血の通った歴史ドラマこそ、私が描きたかった通史である

読売新聞社
1999.2
*中央公論新社
2000.8
中央公論新社
2003.12
中央公論新社
2004.1

 
 
 
このページはフレームの構成ページです。メニューが表示されない場合、こちらをクリックしてください。
『当サイトの内容一切の無断転載、使用を禁じます。』