エンドレスピーク(上下)

学生時代、盛んに山に登った。グループで登ったこともあれば、単独行もあった。山仲間は山から遠ざかった後も、独特の絆で結ばれている。ザイルで結ばれた「バンド・オブ・クライマーズ」である。青春真っ盛りのときに登った山は、必ず共に登った山仲間の顔とオーバーラップしている。現在、没交渉になっていても、彼らもきっとその山と共に私をおもいだすにちがいない。
小説を書くようになってから、構想に詰まり、七転八倒しているとき、引出しの隅に転がっていた小さな石を見つけた。束の間、私はそんな石がなぜ引出しの隅に埋もれていたのか不審におもった。そして、それがある山頂の石であることをおもいだした。
四十数年前、山仲間四人で北アルプスの尖峰に立ったとき、記念のしるしとして山頂の石を一個ずつ持ち帰った。何年か、何十年かして、また社会のどこかで再会したとき、この石を持ち寄ろうと約束した。その約束は果たされぬまま現在に至り、いまでは消息の知れぬ友もいる。その石の由来をおもいだしたとき、この作品の構想は定まった。

角川春樹事務所(上)
1996.11
角川春樹事務所(下)
1996.11
*光文社(上)
1999.3
*光文社(下)
1999.3
ハルキ文庫
2002.11
ハルキ文庫
2002.11
 
 
光文社
2007.4
光文社
2007.4
 

 
 
 
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