挫折のエリート

*角川文庫版は「先取り社員」含まず〈埋没社員/競合社員/先取り社員/プロ意識過剰社員/復讐社員/失脚社員/女衒社員/美容整形社員〉

大学を出てホテルに就職して、出社第一日目にして、これは自分の仕事ではないと見届けたようにおもった。だが、それから10年、私はホテルで働いた。出勤するとき、毎朝、少しずつ自殺するような気がした。そんなにいやなのに、なぜ辞めなかったのか。私には職を賭して新しい仕事を探す勇気がなかったのである。だが、この間の10年は人間を底辺からじっくりと観察する機会をあたえられ、小説を書く素地を培ってくれた。この作品の各エピソードは、この間の体験からヒントを得たものである。

青樹社
1970.11
角川文庫
1977.1
廣済堂文庫
1997.3
中公文庫
1999.5
   

 
 
 
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