俳句館
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雨の底香る花あり闇重し
 
   
虹立つやはかなき恋を予言せり
 
行き尽きて午後の日差しの迷い花
 
   
出会う都度恋を失ふ夏の旅
   
   
凛として花咲く下に人のあり
   
   
雨を聞く独りの夜の迷い蝉
   
   
闇ありて星輝けり夜半の春
  
  
友去りて動かぬ空の鱗雲
 
 
─故角川照子氏に捧げて─

死ぬときは独りの母に蝉時雨
 
   
灯を消せば月明青く虫すだく
   
   
名月や不眠の窓を照らすなり
   
   
 
メール読む深夜病棟虫時雨
   
   
秋霖に打たれ強さや花すすき
   
   
  
犬端いぬばたの会議かしまし春の朝
 
人生の味それぞれに蕎麦の客
  
─故宮田美乃里氏四十九日にて─
五月雨に四十九日もうるむべし
   
屍櫃かろうとの骨確めし茱萸ぐみ踏みて
   
梅雨の音長しとおもう深さかな
 
虫時雨君にだけ降る胸の闇
   
 
蝉時雨絶えたる後の百日紅 
    散りつつ咲くは命のほむら
   
  
十六夜の月光蒼く君を染め
  
花あれば花それぞれの物語り
    散るも残るも花なればこそ
 
写真撮影:森村
 
       
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